ほんのり小話 56

ごめん…後書きの前にこれやりたくなったから、明日か明後日にくらい後書きやります。
そして…キバリんごめん!とてつもなくごめんっ!!
あとある意味IF話なので、本編には全く関係ないです。空想話ですはい。
ドシリアスやりたかったんです…!!
ついでに、みのいくは今よりは発展した関係、早苗ちゃんは神設定で。






この間、慧音が死んだ。

分かってた。自分は不老不死だから、いつかはこうなる日が来るって。

いや、分かってたじゃなくって、分かりたくなかった。

あぁ、なんて。


なんて神様は、残酷なんだろう。




「……」

私は人と会わなくなった。会ってしまえば、自分の飼っている獣を放しそうで怖かったから。

慧音が死んで、私の中には一つの魔物が住み着いた。まるで呪いのように私を蝕んで、自分を壊していく。

その魔物は手当たり次第人を、妖怪を、獣を襲った。私がそれを手懐けなくてはいけないことは分かっている。

しかし、それはあまりにも強大で、凶暴すぎた。

私は、これを飼い慣らすことができない。

できない以上、身を引くしかない。

だから私は竹林に籠もった…いや、帰ってきたという方が正しいのかもしれない。

時々もう一人の不老不死とその医者が私を探しに来たが、とても会えたものじゃない。

私は静かに、その二人から隠れるようにその中に閉じこもった。


それが、どのくらい続いただろうか。ひょっこり、私は恨んでいるものと出会ってしまった。

「…やぁ、一人?」

この世の理を作り、我々を弄ぶ、一人の、いや、一柱の神。

勿論すべての神がそのような偉大な力を持っていないことは知っている。彼女は比較的力の低い、名の知られない小さな豊穣の神。

…だが、今の私にはそんなものは関係ない。

神である以上、私の中の魔物は牙を剥くのだった。

「お前が…お前のせいで慧音は…慧音は…っ!!」

弾幕を不意打ちのように繰り出す。怒りにすべてを任せた、デタラメな弾幕

密度は十分、低級な神ならば即被弾。反則レベルなその弾幕を放った。

つもりだった。

「…大丈夫、あたしは独りだから。」

当たらない。これはおかしい。器用にひょいひょいと避けられてしまう。

ちょっと冷静になってよ、と声を投げられたので、我を忘れつつも弾幕を放ちながら自分の弾を見た。

…高密度、と言ったのは嘘だったか。それは、ムラができていた。ある場所ではとても高密度なのだが、ある場所は殆ど弾という弾がない。酷く隙があることは認めざるを得なかった。

「うるさいっ!お前が…神なんかがいるから私はまた…独りになったんだっ!」

死ねない因果、死ぬ定め。この神が作ったわけではないと知っていながら、なおも攻撃をやめることはできなかった。

難しいようで簡単なその弾幕。よけながら、幼い神は言葉を紡ぎ始めた。

「それはおかしいね。君は一人だけど、独りじゃあない。本当に独りなのは、あたしの方だ。」

「慧音を…慧音を返せ!この人殺しっ…どうして…どうして私だけ死ねない体にしたんだこの悪魔め!」

悪魔、か。とふふっと小さく笑った。

その笑顔は、とても悲しそうな笑顔だった。

やめろ、そんな表情をするな。私は何も間違っていない。間違っているのはお前の方で、私が正しい。

だから…だからそんな顔をするなっ!

「…人が死ぬことには、理由が言えるかな。それは、神が死ねないからだよ。」

「っ……」

その一言で、私は弾幕を止めてしまった。

飼っていた獣が、その一言によってすべてを降伏してしまった。

あれほど暴れて言うことを聞かなかった魔物が、たった一つの言葉だけであっさりと消えてしまった。

…それほど、その言葉はおもいものだった。

「…お前も、独りなのか。」

「違うよ。君は一人、あたしは独り。」

その意味が分からなくて、何が違うのかを問う。悩まずに、その神は答えた。

「君には永遠に生きる友人が居る。たとえ仲が悪くても、それでも悲しみは同じ。だから、君は独りじゃなくて一人。同じ境遇に立って、本当に苦しみを分かってくれる人が居る。…うらやましいな。」

そう言って、またあの悲しそうな笑顔を見せる。

壊れそうだ。今にも。

この神も死ねないというのか。でも神に生まれた以上、その覚悟はあったはずだ。私のように始めは人間だった。

そうじゃない。彼女は、元から不死だ。

「…お前には、沢山仲間が居ただろ。お前だって一人じゃないだろ?」

少なくとも、知る限り死なない存在は沢山いたはずだ。思念体も居れば、神だって居る。姉も居たはずだ。

それなのに、自分を独りというのか。

「…妖怪はいつか死ぬ。亡霊はいつか成仏する。仙人はいつか死神に殺される。思念体はいつか維持する魔力が尽きる。道具はいつかは壊れる。…そんなバランスで、この世は巡り巡る。」

それは、たった短い一言で済む言葉。あえて長く言うが、それはたった、たった一文で終わってしまう、あまりにも残酷な現実。

…皆、居なくなった。

その、悲しい定めの説明には十分すぎた。

「愛しい妖怪も死んだ。最後まであの人はあたしを見てた。いつか別れが来ることが分かってたから、特に涙も出なかった。

お姉ちゃんは、力を持ちすぎた。だから、ここを離れて遠いところに行った。会おうと思っても、今どこにいるか分からない。

最後に最愛の神が消えた。力が無くなって、消えそうなあたしを守る為にその力を使った。その代償に、彼女は消えた。それは彼女なりの正義だった。」

「……」

私は、神を呪った。

この神ではなく、運命の神を呪った。

あまりにも残酷だったのだ、彼女の言う運命が。

本来なら互いに生きるはずの者でさえ、彼女は失ってしまったのだ。

そう、だからこそ、彼女は本当の意味での、

独り、なのだ。

「困ったことに、最愛の神にはもう会えそうにない。神は輪廻の輪の中に居ない。だから…もう二度と、絶対に会えない。奇跡的に驚くくらいのそっくりさんが生まれたとしても、彼女の魂は…いや、彼女にはもう会えない。」

でも、それでいいんだと彼女は言う。そこには、もうあの表情は無かった。

巡り、消える。それが定めなら、それを愛すると。永遠のものなどこの世にはありはしない。

終わり無き命でも、いつかは意外な別れがやってくる。

そして、意外な出会いがまたやってくる。

そう言って、彼女は去った。




私は神が嫌いだ。この理を作った神が許せない。

だから私はお門違いだと分かっていても、あの幼い神も呪うことにしてやった。

消えないように、自分の中で一生彼女の姿を記憶してやる。

これ以上に無い、あの神への冒涜だろう。

…さて、久々にあの竹林のお姫様に会ってやるか。

いつの間にか、獣は死んで、朽ち果てようとしていた。








いやさぁ、互いに死ねない同士なんかいい感じのシリアスになるんじゃないかって思って。
あと、『…それほど、その言葉はおもいものだった。』の『おもいもの』。これ掛詞のつもりだったからあえて平仮名にしています。『重いもの』と『思い物』。ポメラさんが変換ミスしてくれなかったら思いついてなかtt((

何はともあれ、慧音の死ネタを無断でやっちゃったからキバリんに怒られそうだ。

コメ返。
<キバリん
何でそこからピーンと来るのwあれ実録だったのに何でそこでピーンと来るのww
藍しゃまは長編小説じゃあ本当に要る存在だからなぁ…汚れ役(!)も買って出てくれるしねぇー。
正確に言うとカメムシの仲間なんだけどね。あのカメムシじゃなくって、もっと細長い感じのタイプ…でも、あの一般的なカメムシにそっくりなやつ居たし、嫌いになっても道理だなぁと思うわけでしてw
ってことで、今回のあの小説、本当に無駄なものが何一つないというね。カメムシが米の天敵ってことだけ話の中で出てこないけど、それ以外はほぼ推測できるというね!
でもキバリんを完全に騙せなかったのは悔しいなぁ…

早「因みにハーブ嫌いな人ー。」
藍・橙・寅丸・パルスィ・娘々 「はーい。」
穣「パルスィと娘々が意外な件について。寅ちゃんは寅だから納得。」
パ「星が嫌いなものは私も嫌いだわ。」
寅「パルスィ…」
娘「死体の臭いと混じってえげつない臭いになるから嫌い。」
衣「こいつら。」
わたしゃミントとジャスミンかな。名前はサフランとクミンとカモミールが好き。

シジミじゃりぃの奇跡は自分でも傑作のネタww

ラストのみのいくはね!もうね!こいつらやっとかよっていうそんなね!!
そして何よりびっくりなのは『本格的に仲良くなってから6年が経とうというのにスタートラインにすら立ってない』ってとこなwww
果たしてこいつらは無事リア充になれるのだろうかwww

おめありっ!私も嬉しい(そりゃな)!!

私は何か、春休み伸びた!5日くらい!
私立の方だったら2日から学校だったけど…公立8日からだったんよwお陰でもうちょっとゆっくりできる!