東方小説 『実りの空に一条の奇跡』 2

「ねぇ、早苗に何かお礼したいんだけど何か無いかな。」

数日後、いよいよ秋か夏か分からなくなってきて、私の存在も薄くなろうとしてきた。

私はいつものように私に会いに来てくれた早苗にそんなことを尋ねた。

「お礼って・・・また何で。」

「だって、こんな私とずっと一緒に居てくれたから。私嬉しかったんだよ、久々に私のことを少しでも知ってる人間に会ってさ。それでこんなに仲良くしてもらって・・・だから、何かしたいの。」

早苗はそれなら、と少し考える。下手に断る方が悪いと思うのはお互いさまのようだ。

長針が一周したころ、早苗は手をポンっと叩いて言った。

「そうだっ、穣子に手伝ってほしいの。穣子はハーシュって薬草知ってる?」

「ハーシュ・・・は確か晩秋に一時的に群生する薬草だったよね。その一時的な場所と時期さえ分かったらすぐに手にはいるけど・・・」

でもハーシュが必要な薬は放っておいたら死に至る病気の薬の材料。その病気はかかったら一週間くらいで末期症状を迎えて、そうなると薬を飲ませても殆ど直らない。

「・・・急ぐの?」

「そう・・・ね・・・・・・五日以内かしら。」

「そっか、じゃあまだ時間はあるね。けれどまだ時期が早いからなかなか見つからないよ。」

「知ってる。だからそこで、ね。」

急ぐはずなのに気楽だなぁ・・・早苗らしいけれど。友達か家族か知らないけれど、かなり危険な病気だよ、これは。

「・・・うん、分かった。」

「やったぁっ、ありがとうっ!」

・・・さてと、ハーシュ自体は少し力を応用させたらすぐに生やすことはできる。問題なのは私の残りの力の方。早苗に渡す前に私が消えたら元も子もない。

(・・・いや、いける)

確かに私の信仰はもう無いに等しい。けれども、早苗は私を頼ってくれている。それが私の力となって、あなたに返すことができる。

あなたの信頼を、私への信仰の力として。

それでも残っている力を考えるとかなりぎりぎり。多分渡して・・・あなたと別れて、私のことが一瞬でも頭から抜けたそのとき、かな。

「それじゃあ3日後、私はとりあえず当てがあるところに行って、入手できたかどうかを問わずここに戻ってくる。一旦ここで情報を交換しよ?もし見つけたらめっけもの、ってことで。」

「うん、オッケー。」

気づかれていないよね、今のところ。

それからすぐに早苗と別れた。私はハーシュが群生するのに適した場所を探す。ちょうど魔法の森にそんなところがあり、思いの外苦労する事はなかった。

日当たり、風通し、湿度、気温、どれも十分な条件。あまり生態系をいじりたくはないけれど、今回ばかりは仕方がない。

残った力を大地に注ぐ。

決してあの花の妖怪、風見幽香のような能力ではないため生えるのに時間はかかるけれど。

3日もあれば簡単に生やせる。力は使いきるけれど・・・でも。

(早苗・・・ありがとう)

こんな私と仲良くしてくれた

こんな私のことを覚えてくれてた

そんなあなたへ、最後の光を




場面分けしてるせいで2、3がやたら短い。
次回ラストです。


コメ返。やっぱり白くn((ry
<ホールドアップ さん
全部読んでくださってありがとうございます!

「CPで考える誕生日」は完全ネタでしたけどねw
元々は「もし衣玖さんとルナサが一緒にクリスマス迎えたら、多分当日プレゼント渡せなくって後日土下座合戦なんだろーなー」という犬のぼやきからでした。
クリスマスは先だし…そうだ、全員CPで誕生日どうなるか考えたら面白いんじゃないかと。

案の定面白くなりましたともw

寅パルは犬が甘いの苦手なので頑張って甘くしよう…ダメデシタ☆という可哀想な話。
甘々な話が本当書けないのでしばらく寅パルで練習…無理はだめですね、犬が糖尿病になります。そろそろ寅パルで酢飯のようなさっぱりした話を書きたi((

だからはい、書いてるとき吐血寸前でしたw

「犬得CPを簡単に書く(描く)方法」はうごが出来なくってじれったくてゴロゴロしてたらふっと思いつきました。

書いて欲しいという願望たっぷりn((殴
参考になったら嬉しいです(果たしてなるのか)^^*


ほぉ、橙、穣子、こいし…子供組ですか。
橙の扱いは本当に酷いですけどね。でも最近の妖夢よりはマシか。

衣玖ルナの小説は…数学の補習の時に思いつきました。
「衣玖さんからルナサの記憶抜いたら面白そうだよな…あれ、何か考えたことあるぞこれ。まぁいいや。あれかな、ルナサが何か事故に遭うときに衣玖さんが庇って…
…ちょい待ち、ルナサ腐ってもポルターガイストだよな、騒霊だよな、幽霊もどきだよな。実体持ってんの。でも実体持ってなかったらあのとき衣玖さんに背中かせないよね。ていうかそしたら衣玖さんにうまく気持ち伝えれ…よし一回いこうかっ!!」

という、どうして数学にそんなことを考えたのはナゾですが。


穣子とパルスィはジャンプのマンガ「ハイキュー」を読んで、ふと「ね・た・ま・し・いw」と思って思いつきました。

今この話の導入になればな…と思って書いたのですが、結局書きづらくって諦めましたwまぁ意外性を求めたのは事実です。

マンガ全力で期待してますねっ!!

あなたはもしかしなくてもY/KNさんですよね?


長々とコメ返しましたw
コメをもらうとつい嬉しくってもらった文章の倍ぐらいで返してしまうw
また良かったらコメ下さい、ていうか是非くださi((殴