IF物語 3『もしもパルスィが機械だったら』

妖「サブ面子…というか、ぶっちゃけ寅丸とパルスィしか出ません。あと、今日は小説調です。」



「…穣子から聞きました…もうすぐ機能が停止するそうですね。」

ある日の夕暮れ。私は星に連れられ、見晴らしのいい丘に来た。自然の緑と、空の紅。この対比色が、他の人にはどう見えているのか。私は考えたことはあった。

けれど、私は機械。感情なんてものは無いに近い。知っている限り、データでこれがどういう感情か、そのことしか分からない。

たった一つ、ある特別な感情を除いて。

「…えぇ、知らなかったでしょ、私が機械だったってこと。」

「いいえ、知っていました。」

思わず目を丸くする。穣子から聞かされたのだろうか。隠していたつもりだったのだが、やはりあの二人の前での隠し事は一切通用しないらしい。

「…そう。…私が機械だと知っていて、あなたは好きだと言ったの?」

「はい。機械でも、人間でも、例え、私の知らない何か分からないものでも、私はあなたへの想いは変わりませんよ。」

そう言って微笑んでみせる。嬉しいのかどうかはよく分からない。感情というものはどうしてもよく分からない。数式に出来ないものは、どうも私にとっては苦手なものなようだ。

「…ねぇ、知ってる?」

「何がですか?」

「相手を想う気持ちって、実は自分の想っている3分の1しか伝わらないのよ。」

意外そうな顔をする。あまり星がこういうことを知らないということはよく知っている。私達の付き合いは長いもの、星がどういうものを知っていて、どういうものを知らないかもよく分かっている。

まさか、機械ということを知っているとは思わなかったけれど。

「…私、機械だから好きだという感情を上手く伝えられないし理解できない。けれど、あなたの言葉に、私の感じる3倍の愛情があるのなら…」

…どうなのだろうか。

それ以上、私は言葉を紡げなかった。けれど、星は私が言いたいことが分かったらしい。ただ、ありがとうございます、と、一言呟くようにお礼を言った。

「…それとね、あなたに渡したいものがあるの。」

話を変え、私はずっと手に持っていたものを星に渡す。それは何の変哲もない、ただの、

「…歯車…ですか?」

「えぇ。…人は死ぬとき、21gだけ軽くなるのよ。どうしてかはまだ分からないのだけれど…私も一緒みたい、その歯車、ちょうど21gなのよ。」

やたらと詳しいですね、と星は私に言う。それはそうだ、だって私は機械だから、そういう情報はたくさんインプットされている。

どうしてそんなものを渡したのか。多分、機械ながらも、彼女と接触しているうちに、不思議な感覚が芽生えたからだと思う。分からないながらも、確かな想い。

「…もうすぐ私の代わりが来るわ。私と外見は何にも変わらない。けれど、記憶は受け継がれないのよ。だから、私とあなたの、二人で一つの思い出として、それを受け取ってほしいの。…たとえ私のことを忘れても、私じゃない私をまた愛するようになっても、確かに私はここに居た。確かに私はここであなたと一緒に居た。確かな証拠を―

「忘れませんよ。たとえどれだけの時が過ぎようとしても。」

…知っている。それは不可能だって。長く生きすぎると悲しい思い出は忘れられていく。現に私はいくつかの例を知っている。橙やルナサ…彼女らがいい例だろう。

けれど、知っていながらも、私はその星の言葉にすがりつくように、首を縦に振った。

「…ねぇ…最期のお願い…いいかしら…」

…時間だ。体を支える力が無くなった私はその場で倒れこむ。それをすぐさま星が支える。

「…なんでしょうか?」

「…私が動かなくなるまで…嘘でもいいから…あなたの腕の中に居させて…?」

「…初めからそのつもりですよ。」

その後、私はどうなったのかは知らない。

けれど、最期に一言、星はこう言ってくれた。


―私はパルスィを本当に愛しています…―


…あぁ、そうか。

これが、悲しいって感情で、同時に、


―…嬉しい…温かい…… ・・  ・






ネタ提供:白狼(リア友)
犬がこんなネタ思いつくわけ無いじゃん。機械とか不得意分野だし。
…え、ギャグ期待した?
あとあそこで橙とルナサが出てきたのは、橙はまだ公開していない過去話、ルナサはあのレイラのことよりです。




コメ返。
>キバリ
うん、いや、分からんでしょwあの話分からんでしょww
うどんげはパートナーキャラにした瞬間鬱陶しいからなーwえげつないの何のw
最大の火力をほこり、相手をなぎ倒す、それがうどんげデッキだZE☆ ((