妖「16人…のはずなのに、気が付いたら12人です。4人ほど逃げました。」
藍「で、残りは早穣、幽レティなんだが…差が出るような事柄が思いつかない。」
穣「じゃああたし達の勝ちで。」
藍「それはダメだ。そういえば気になっていたんだが、いつの間に『あたし』っ子になってたんだ。」
穣「最近、私っていう一人称が合わない気がしてきてさー。ま、違和感を感じるって思ったら直すよ。早苗はもう、あれはあたしっ子になってもいいでしょ。」
早「よねぇ。あ、でも幽香さんの前では私にしますよ、ねっ、幽香さんっ。」
幽「よし、蹴ってあげましょうか。」
早「幽香さんの美脚に蹴られて死ねるなら本望!神だから死ねないけど!」
幽「…はぁ…余計タチ悪くなったわ…」
レ「ていうか話脱線してるわよ。」
さ「思ったんですよ。早苗って幽香と穣子どっちの方が大切なんですか?」
藍(成る程、ここで幽香って答えたら親友不成立ってことか。成る程、上手いな。ていうかあいつなら一択でy)
早「みのりん。」
藍「そうだろうな、幽香だろうな…え?」
早「幽香さんはあたしの中で至高な存在。でも、みのりんはかけがえの無い親友。親友を失ってまで憧れに近づこうとするほど、あたしは落ちぶれちゃいないわ。」
穣「…言うと思ったよ、全く…」
早「ふふん、だって、あたしが居なかったらあんた、寂しいでしょ?」
穣「よく言うよ、君だってあたしが居ないと寂しいくせにさ。」
藍「…何時の間にこいつらは相思相愛になってんの。」
さ「え、もしかして幽香って言うと思いましたやっだー軽率ー、ていうか主要なCPが無くって恋愛やら親友やらなめてますー?妬むのは衛生上よろしくありませんよぉ?」
藍「…こいつ…殴りたい…」
さ「いいですよ、避けますが。ってと、で、幽香、あなたは…アリスとレティ、どっちが大切ですか?」
幽「…!」
レ「……」
穣「あーこれは酷だねぇニヤニヤ。」
早「愛人と親友、どっちを取るか、ねぇニヤニヤ。」
幽「…私…は…」
レ「…正直に言いなさいよ、アリスだって。」
幽「レティ…」
レ「私は知ってるわよ、アリスに一途な思いがあるって。それで、一生懸命、けれども静かにアリスに好意を向ける。だから、ここで嘘を付く必要なんて無いわ。私には分かるもの。」
幽「…違う、分からない。」
レ「分からないって…あんた、」
幽「どっちかを選ぶなんて、私には出来ない。確かに恋愛としてはアリスが何よりも大切、けれども親友としてはレティが一番大切。そんな一番同志を、どっちが大切かなんて選べないわ。…はっきりしないとか言われてもいい、私にとって、二人とも大切、どちらだけなんて選べないわ!」
藍「ねぇ何でこんなシリアスっぽいn
さ「空気読めない狐は黙れ。…本音ですね、それは。」
レ「…幽…」
幽「…ごめんなさいね、ぱっとしない奴で。」
レ「…だからアリスに振り向いてもらえないんでしょ。そんな中途半端な想いだから。私のことなんか放っておいて、アリスにだけ好意を向ければいいのに…」
幽「一番を決めないといけない理由って何?好きだから好き、嫌いだから嫌い、それでいいじゃない。」
レ「…その想いが、相手にとっては半端者としか捕らえられなくても?」
幽「そのときには分かってもらえればいい。分かってもらえないようじゃ、互いに相思相愛の関係にはなれない。大切なものを失って大切なものを守る、それは違う。大切だからこそ、失わずに守りたい。…それは、いけない考え方?」
レ「…やっぱり、私、あなたのこういうところに惹かれたのよね…いいんじゃないかしら、それがあなたの答えだっていうのなら。私は止めないわ。」
さ「…答えが出揃いましたね。では、今回の優勝は早穣で。」
幽「え。」
さ「だって半端者じゃないですか。ただのヘタレじゃないですか。知ってますか、ニ兎追うものは一兎も得ずって言葉。それじゃないですか思い上がっちゃってやっだぁw」
幽「……」
レ「…気にしないで。あれはああいう奴じゃない。」
さ「それに、早苗と穣子は、早苗が人間をやめて神に成る程に穣子を思っている。いずれ、一人になる穣子の為にっていう思いもあったでしょう、あの小話22くらい。」
藍「くらいって。」
早「…ははっ、やっぱバレた?」
さ「バレますって。じゃあ第一回、これにて閉幕です。」
藍「…え、またやるの?」