もうね、訳が分からなくてね。

妖「さなみのいくですよー。」



穣「犬が入試落ちてきたよ。」

衣「うっわ私立4年とか親殺し

穣「それはいいとして。」

衣「いやいやいや!!よくないでしょう!!全くもってよくないでしょう!!?」

早「わめいたって何にも変わらないわよ。落ちたもんはしょうがない。」

穣「そうそう。死ぬわけじゃないんだから。」

衣「これ…犬は?」

穣「え、ほら。」

あぁぁあああもぉぉぉおおおあのニュースの男意味分からんぁぁあああぁぁあああ!!

穣「ショックは受けてた。けど、寝たら『死ぬわけじゃないしー』って、いつもの楽観主義に戻ってた。」

衣「流石だった…この人流石だった…」

穣「で、話を元に戻すんだけど。」

衣「戻すより逸らすの方が正しいような…」

穣「犬が今騒いでるあれ。なんかね、ニュースで本当に訳が分からなくって変に腹立ててる。」

早「あれでしょ、通り魔の話。嘘の供述したり、小学時代にスタンガンやらナイフやらで友達を追っかけまわしたり、中学時代に転校を3回やったっていう、あれ。」

穣「そうそう。それでさ、自分の居場所が無い?周りが悪い?戯言にも程があるよ…と、言いたいところだけどさ。」

早「そうなのよねー。これは、あくまでもあたし達が捕らえた意見、なのよね。相手が本当はどう思っているか、実際の真実はどうなのか、そんなもの、分かりゃしないもの。」

穣「ま、人は心が読めないように都合よく作られてるからね。その辺は、自分の感じたものを信じるしかないよ。」

早「でも、そうやって居ると無罪の人が捕らえられて、ありもしない罪をかぶせられる。そして、マスコミにでっち上げられる。…真実を捉えることが難しいこの時代、やぁね…」

衣(会話に混じれない…)

穣「あたしさ。人を信じれない人に幸せなんて絶対に来ないと思う。そうやって、自分で自分の居場所を消していって…そして、人を呪う。全く、これはよく出来た悪循環、滑稽な話。自分は不幸だって、そんな真実にたどり着いて、それを信じるのは勝手。けれど、他人を信じられず、自分で傍若無人な態度を取って、自分で居場所をなくして、他人を呪う。これは、あまりにも滑稽だと思うんだ。」

早「全くその通りよ…そういえば、藍が言ってたわよね。『疑って、疑って、その人の心を読む。それが、信じるということに繋がるんだ(CWシナ『新人と私』より)』って。…これは、どうなの。」

穣「あたしはそれは一種の防衛手段だと思うな。防衛手段としてはとても優秀。ま、冒険者って職柄上は仕方ないことだと思うよ。…それが幸せなことに通じるかどうかは別問題。あぁいう堅物や、あたしのようなひねくれ者には崇高な理論だと思うけど?」

早「…あたしはそうは思わないわ。疑う限り、人の影を探すことになる。それだったら、騙されることが一番幸せなんじゃないかって思うのよ。好きだって言われて、それが嘘だとしても…騙されている限り、それは幸せなことでしょ?」

穣「幸せかどうかは分からないよ。そうやって知らず知らずのうちに追い込まれていく人だって居る。騙され続けることに幸せなんて無い。…かと言って、全部全部正直に話しちゃうと、それはそれで不幸になると思うんだよ。」

衣(あー空が青いです…)

早「じゃああんたは人を疑えってこと?基本的に人を疑って、時々騙されろってこと?そっちの方がよっぽどハードル高くて、気を遣って疲れて幸せを手放していくような気がして仕方ないのよ。」

穣「…信じる信じない。人は人の心が読めない都合のいい生き物。だから嘘を付いて、それに気付かない。騙されて自虐に陥る。けれど、すべてを疑う先に、幸せなんてありはしない。…一番大切なこと、分かった気がする。」

早「…何よ?」

穣「相手を知ること。知って、どんな人であるか、信用できるか…それは、自分の意見。そしてそれを信じるか信じないかは自分のエゴ。それで騙されたときに、その人に騙されたんじゃなくて、自分に騙されたって思うの。そうすれば、人を呪わず、信じることができる。」

早「それは結局、自分で自分を自虐に追い込むだけだと思うわ。それこそ悲観的なバカよ。」

穣「分かって無いなぁ。自分に騙された、それは自分が嘘を付くのが上手かった。自分だって嘘を付く生き物だったんだって、再認識するの。そしたら相手も嘘を付いてたし、自分も嘘を付いてた。ほら、とってもこの世は嘘でありふれている。そう思ったら、嘘を付くことがあながち悪いことじゃない。むしろ、嘘を付くことで幸せを手に入れようとして、人であるための必要な手段。…そんな気がしてこない?」

衣(あ、蝶々飛んでる)

早「…ははっ、成る程。あんたらしい意見ね。…けど、そうやって、自分が分からなくなっていったのはどこの誰かしら?」

穣「…あたし、だね。でも、それはちょっと違う。それは自分で、自分を騙すの。騙されるんじゃなくって、騙すの。一方的に、信じたいものを否定して、偽るの。そうすれば、自分の本心が雲って、何を信じていいのか分からなくなる。何が嘘で、何が本当か分からなくなる。信じるべき自分さえも疑り深くなって、自分が分からなくなる。あたしだね。これはいけないこと。」

早「成る程ね。…あたしは、一番信じられるものはあたしだわ。あたしの心は嘘なんて付かない。あたしの心は、こうしたいああしたいって、願望を言うのよ。そこに絶対に嘘なんて無い。周りが信じられない、それなら、自分を信じる。自分だけは、自分を裏切らない。人を信じるのも、自分がこの人は信じられる、信じたいと願うから…いつも、あたしがやってきたように、ね。」

穣「早苗らしい…衣玖さんは?」

衣「へっ?」

穣「衣玖さんはどう思う?」

衣「……」

穣「……」

衣「…何が信じることができて、何が信じられないことか分からない。それならば、絶対に裏切らないって信じられる関係を築くのです。それに騙される覚悟を抱きながら。信じていたものに騙されたと思って自分で落ち込むこともあるでしょう。けれど、その人は信じられる、そう自分で評価した人なのですから…その人を、そう信じられるくらいに自分はその人のことを思っていた。それで、いいと思うのです。」

早「……」

衣「…ダメ、でしょうか。」

穣「…ははっ、あっははははははっ!!これはいい、いい論争ができる!!皆が皆、それぞれ思うことがバラバラ!信じることがいかに難しいか…はははっ!いい証明じゃないか!」

衣(穣子が壊れた!?)

早「そーね!これはいいわ!!いっやぁこうも意見がバラバラになるのも面白いわ!!信じることがどれだけ人の間で誤差があるか、これはいい話ね!!」

衣(そもそもどういう話だったのでしょうかこれ)




衣玖さんは空気を読んで適当にそれっぽいことを言っただけですええ。いや、本心ですけどね。

あのニュースがね。かなり色々考えさせられてね。それでこうやってダベってました。
貴方はどう考えますか?意見くださると私が主に喜びます。