ほんのり小話 60

みのりん視点で。






雨が降ってる。

久々に強く、雨が降ってる。

そんな中、あたしは外に居る。

ぶらりと、何となく雨の中をさまよいたくなった。

傘をささず、目的もなく。

服が、体が濡れても関係ない。

そのままあたしは、外を、幻想郷を歩いた。



雨が止まない。

暗くて、光が差し込まない。

うるさい音が、逆に静かに感じられる。

閉塞した空間というものはこういうものなのだろうか。

ふと、立ち止まった。

辺りの音を聞いてみる。

酷く、うるさい。

そのはずなのに、なぜか、静か。

冷たい雨が体を打ちつける。

痛くはなかった。

そのことに満足して、あたしはまた、歩きだした。



雨が降る。

当たり前のこと。

当たり前のことなのに、その中をふらりと歩く。

これは、どうかしてること?

固定概念か。いや、人が嫌うからだろう。

雨で濡れる、風邪を引く、気持ち悪い。

…だから、おかしいのか。

気が狂うこともなく、お構いなしにさまよい歩く。

感触が心地よいわけではない。

この静寂を求めていたのではない。

本当に、それはただのきまぐれだった。

ただ、そのきまぐれがきまぐれで片づけるというのはとてももったいない気がする。

何かを探し歩む。暗中模索というのは、このことを指すのか。

目的さえ定かでないこの自然の檻にとらわれるかのように。

あたしはただ、一人さまよい歩いた。



雨の檻。

冷たい、日の射さない檻。

あたしはこれを、よく知っている。

決して嫌いではなかった。

いや、それは諦めだったのかもしれない。

一匹の水鳥が沼の中に潜る。

この雨から逃れるかのように、音を立てて潜った。

それが少し気になって、また立ち止まった。

雨から逃れる。この雨は、それほど嫌なものなのだろうか。

心地いいとは思わないが、それほど嫌だとも思わない。

水鳥はでてこない。

暖かいのか。それとも、飲まれたか。

中でもがき、そのまま沈むのか。

別にそんなこと、知ったことではない。

…あぁ、そうか。そうだった。

私は、すべてにおいて無関心。

だったんだ。



雨が上がった。

前を見ると、そこには一人の竜宮の使いが居た。

彼女もまた、ぐっしょり濡れていた。

あぁ、そうか、そうか。

彼女もまた、そうだった。


晴れたことが、特別なことのように思えた。






多分比喩すぎて何のことか分からないと思う。
最近雨が多いから、詩みたいに小話を書いてみました。

本当なら衣玖さんのとこ早苗の方がしっくりくるんだけど、彼女もまたって言っちゃうと早苗じゃあ当てはまらないから、衣玖さんで。

因みにみのりんの一人称が一度『私』になっていますが、それは誤字ではなくわざとです。

…うーん。解説するにしづらい小話ができあがったな…簡単に言えば、過去の心情、ですかね?





コメ返。
ティーダさん
心読んだらとじぃとじぃ、そして自分に対して悪意は本当に無い。
私もこれキレそうになりますねw娘々エグいよ…!

ヤンデレ妹…ど、どちらさまですかね?
精神科「もう手遅れです。」