東方信風談 ほんのり小話2

※宿にいて朝みんなが起きる頃

橙「にゃー!妖夢ぅーっ!!」

妖「わっ、ど、どうしたんですか橙、私に泣きつくなんて。」

藍「…妖夢にしかなんとかならないの?」

橙「うっうっ…昨日…昨日近くの神社に幽霊が出たから…それで妖夢の幽霊で追い払ってもらおうって思って…」

妖「どういう理屈ですか。」

藍「それにしても…アリスがまだ起きてこないなんてね…幽香とレティはともかく。いいわ、その話聞かせて。」

橙「そう…あれは丑三つ時だったにゃ。」

藍(あぁ、もう何となく言いたいこと分かったぁぁああああっ!)

橙「にゃんとにゃく寝付けにゃくてちょっと散歩に出たの。それで神社の前に来たときに、にゃにかカーンカーンっていう変にゃ音が聞こえて…」

妖(…あぁ、私も分かりました)

橙「気ににゃって神社に見に行ったら…人影が3人いて…にゃにかを打ち付けてたんだにゃ…!!」

藍「…あー橙、それは呪いの一種でね…」

橙「それだけじゃないにゃ!すっごく恐ろしいこと叫んでたのにゃ!!」

妖「…恐ろしいこと?」

橙「うん…えっとね、『アリスが私のものに…妖夢氏ね…』、『妖夢と両思いに…リア充氏ね…』、『妖夢爆発しろ…』って…」

藍(…完全あいつらじゃないのぉぉおおおおっ!何やってるのよあの人たちぃぃいいいっ!!)

妖「…つまり、幽霊の正体は私たちのことを知ってるってことですね…」

藍「妖夢チョットマテずれてる。」

橙「……」

妖「…?橙?」

橙「…そしたら妖夢の半霊が一番怪しい…」

妖「なっ、私じゃないですっ!それに自分で自分爆発しろなんて言いますか!?」

橙「…Mだったら…」

妖「Mじゃないですー!!」

藍「…えーそこ?ていうか3人でしょ?妖夢の半霊は1つしかないわよ。」

橙「あ…そっか。」

妖「1つって…」

藍「…兎に角、正体は分かったわ。」

橙「ほ、ほんとっ!?」

妖「だ、誰ですか!?」

藍「妖夢まだ気づいてないの!?

妖「え、えぇ…だって幽霊じゃなかったら一体…?」

藍「…幽霊じゃないわよ。」

橙「じゃあ…?」

藍「…私達のよぉーく知ってる人。」

妖「…まさか親父さん!?」

藍「何でそうなる!?3人っつったろ!!

妖「いやー…分身ぐらいするでしょ…」

橙「狂うと怖いにゃ。」

藍「…はぁ…、まず、発言で気づいて。そうね、一番簡単な『妖夢爆発しろ』で分かるでしょ。ヒント、このチームで一番黒い人。」

妖「…レティですね!」

橙「…てことは…残りの2人は…幽香とアリス?」

藍「そうよ。ほら、橙、お化けじゃない。」

橙「そっか、よかったぁ…でもにゃにやってたんだろう…」

藍「知らない?ベタな呪いよ。丑三つ時に神社で藁人形に嫌いな人の写真を貼ったり、あるいは強く呪いながら釘を打ち付けるのよ。」

橙「にゃっ…!?」

藍「あー、ちなみに余談なんだけど…アリスは人形使いだからそれで1一人くらい葬るわよ。」

妖「…!?」

藍「ま、今回は対象が広いから効果は薄いでしょ。気にしなくていいわ。」

妖「…ねぇ、私に対して呪いかかってるって思いますか?」

藍「…確かにブラックロックだったらかかってそうよね。」

妖「…解呪できます?」

藍「出来るわよ、このくらいなら。やってあげるわ。」

妖「あ、ありがとうございますっ。あと…」

藍「何?」

妖「…どうしてアリスはリア充を恨んでるんでしょうか?」

藍「…………」

…この鈍感白髪ババァ…





ちなみにこの日、ちょっとした不幸がリア充に訪れたとか…
夫の育毛剤が見つかったり、キャバクラの名刺が妻に見つかったり、カラスの糞が降って来たり…
割と結構な数がお互いに喧嘩しあったようです。
因みに藍に対しての呪いは、橙が妖夢に泣きついたあそこです。
ただ、藍は橙のことをとても信頼してるので喧嘩へと発展はしませんでした。
めでたしめでたし。