ほんのり小話 53-4

まぁ、おまけみたいな量しか残って無いんだけどさ。



「…だって、さ。」

壁に開いた小さな穴を、娘々は鑿の反対側で二回ほど軽く叩く。するとその小さな穴は、跡形なく消えてしまい、元通りの壁になった。

衣玖が居る部屋に、屠自古と娘々とルナサが入っていた。衣玖は困惑したような表情を浮かべていた。

さとりがこの三人に言ったことは以下の通りだった。

まず雷鼓が風邪をもらって、そのまま発病する。それを見て、ルナサが屠自古と娘々に知らせ、その三人を連れて衣玖の部屋へ、さとりは雷鼓を隣の部屋へ。

さとりが雷鼓と少し話している間に、隣の声がよく聞こえるように、娘々が壁に穴をあける。それを見たさとりは、雷鼓がどう思っているか、それを自覚させる。

その会話を、衣玖は介入できず、ただ聞く立場に回す。勿論衣玖が聞いていることを、雷鼓は知らない。

そんな、シナリオだった。

ふぅっ、と鑿についた埃を吹き飛ばし、頭に飾る。簪代わりにもなるその鑿は、太陽の光を反射させてきらりと光った。

「…そう…だったのですか…」

雷鼓が知らずの内に苦しんでいたことを知ってやれなかった。自分はやはり、信用に値する人物にはなれなかった。そう、思わされると同時に。

とても、雷鼓に申し訳なくなった。

「……あの。」

力の無い声で、この場に居る三人に尋ねる。

「…私は…どうすればいいのでしょう…」

どうすれば、彼女に心から信頼してもらえるか。そんな意味が含まれた言葉だった。

信頼するにはどうすればいいか、という雷鼓の言葉に対し、信頼されるにはどうすればいいか、という衣玖の言葉。

相反対しているようで、求める先は一つだけの、そんな疑問。

衣玖のその言葉に、娘々は大きくため息をついた。

「…愚問、ね。」

それだけを言って、娘々は部屋を出て行った。その顔は、少しだけ怒っていたようにも見える。

屠自古は少し困ったが、そのまま何も言わずに部屋を出る。これは、そっとしておいてやろうという、彼女なりの気遣いか。

あるいは、何か言いたげにしていたルナサに感づいてか。

「…あの、ね。」

衣玖の傍によって、静かに語りかける。澄んだ瞳をしていた。

「…信じるってことがどれだけ難しいか…それは…よく分かる。衣玖さんも、雷鼓さんも…それから、穣子も…」

「……」

信じることは、ただ相手の言いなりになるわけではない。

騙す、騙される、それを超えたところにある、崇高なる概念。触れようとしても、そう簡単にふれることはできない。

ただそれが何故か、ルナサはよく知っていた。

「…衣玖さんは、その答えを知っているよ。衣玖さんだって、人を信じられなかった気持ち、よく分かるはずだから。…振り返ったらいいよ。よく教えてくれた人が、ずっと傍に居てくれたでしょ?」

そう言って、衣玖の部屋から何かを手に取り、それを衣玖の手にそっとしまった。何か固くて、丸いものだった。

「…明日、明後日には治ると思うから…今日はゆっくり休んでね。」

笑った後、ルナサもその部屋を出た。また後で来るから、小さな声でそう伝えて。

その後姿を見送った後、自分の右手を開いて、中身を出してみた。

それは、いつかの紫紅色のビー玉だった。

それを見た瞬間、彼女がそう言った意味も、娘々が愚問だと言った意味も分かった。

…すべてその答えを知っている。そうだ。私は、傍でずっと、その答えに触れていたんだ。

「…ははっ、成る程…また、見失うところでしたね。」

ぎゅっと、そのガラス玉を握り締め、その手を胸に当ててみる。

熱を帯びていないはずのその小さな玉が、何となく温かいように思われた。


風邪が治ったら、一番に彼女を抱きしめてやろう。

それから、時間をかけて見守っていこう。

彼女のよりどころが、私になれるように。






え、終わりですが何か?消化不良?ナンノコトデスカネ?
勿論雷鼓さんは人信じられないまま終わってますよ。…らいいくらいふぁんたじあ?
みのりんふぁんたじあ外伝、みたいな感じですかね。だって蓮華草話絡んじゃったし。みのりんふぁんたじあの中にあるぷち話、みたいなんでいいかもしれませんね。
しっかしね。そうなんですよ。…これ見た後に蓮華草話読んだら分かると思うんですがね。

本当に、衣玖さんはどうしてやったらいいか、よぉく知ってるはずなんですよ!

だから皆愚問だのもう知ってるだの言うんですよね!いやまぁ、最終的には衣玖さんも思い出してますけどね!

以上、答えが明確には書かれない中編小説でした。序盤のギャグっ気が酷いから、1だけ書き直したいってのが本音。あ、でも感想欲しいです。2以降は真面目に書いたから((


あと気が付いたかもしんないけど。…衣玖さん出てるのに、穣子も早苗も出番無かったよ!!

さぁて、今度の中編小説はお風呂で思いついた『みのりんの母乳が止まらなくなる話』になると思われ!若干卑猥になるけど、キニシナーイ((



コメ返。
<キバリん
ええよええよー。えらい文章量になるでしょう全部書いたらw

うちのルナサ(シャワーズ)が強いというより、トリックルーム事故だったねあれはw波乗り二回使ったらそりゃあねぇ…
シャワーズは結構足遅いのよ。それで特防が意外と高いから、特殊技で雷食らっても大体一回は立ってるよb
でもあそこでルナサ居なかったら危なかったな…私結構素早い子多いからさ。
うわぁああボイスチャットごめええぇぇえええん!!通話苦手でさぁ…でもバトルとか交換とかのボイスチャットアリはそしたら誘ってくれたら乗るよ!
顔の見えない会話が怖い子ですはいwでもキバリんとおしゃべりしたいから頑張る((

そういえばまた蒸発しかけてるね。こっちとしてはとても書きたかったとこ書けて満足してて忘れてt((おま
ツイッターで見かけたら言うんだけど…最近全然見かけないしねー。忙しいのかしら?

ヒント:衣玖さんの体調崩しは2回目です。
実はボツ話をまとめると妖夢、アリス、幽香、レティ、みのりん、早苗、パルスィ、さとり、ルナサを何らかの病気にさせてたんだよ!未公開あわせたらなんとアリス2回もやらかしてたりねw
でも衣玖さんは病弱のイメージ。そして病弱ルナサはもっと酷いと。
らっこさんは色々属性あるから楽しい!最初「こいつらシリアス無理だろ…早苗→幽香ぐらい無理だろ」って思ってたけど、ネタの宝庫だったっていうね!!
ラストはまさかの解決しないエンドだったけどねw

あーそれは書きにくいwというより、書けないw
でも病気ネタはとても美味しいからなー…誰か犬得で看病ネタやってくれぬものk((やめい