東方小説-レティ過去話

レティ過去話 4

「…そこで、その十字架を貰った、と?」私はこくりと頷いた。あそこでみんなに迎えられ、私はあの仲間に入ることになった。何でその十字架が作られたのか、それは私も知らない。多分だけど。妖夢なりの償いじゃなかったのかしら。それから、幽の、会いに来て…

レティ過去話 3

その冬は、中旬から『私』はあまり妖夢とは会わなかった。どうしたんだろうと思いつつも、いつも二人出会っていた場所で毎日待っていた。 独りじゃない、ずっと冬の間、一緒に居てくれる人が出来た。しかし、それはあっさりと崩されることになった。 …『私』…

レティ過去話 2

私は独り歩いていると、偶然にも魔法の森の付近にいた。そこで『私』は、二人目の人…もとい、半人と出合った。 「…珍しいですね、このような寒いときに外を出歩く妖怪…ですか。」以前幽香に言われたのと同じような言葉。それもそう、このとき自覚はあんまり…

レティ過去話 1

これは、私が『私』のときのお話 それはまだ、ただ一人白い世界をさまよっていた …そんなときの、私が生まれる前のお話 『私』は白しか知らなかったただどこまで行っても白い世界色のない世界に『私』は飽き飽きしていたただ、白いだけでなくって誰も居ない…

レティ過去話 0

なんか、急に書きたくなった。あれかな、冬がそろそろ終わりそうだからかな。 「レティ、ちょっといいかな?」私に声をかけてきたのは、仲間の中で一番の狡猾さを持つ穣子だった。表面上はにこにこしているが、中で何を考えているかは分からない。そういえば…