一週間衣玖ルナ小説祭り

輪廻之理 おまけ話

おまけ。※今日の記事は二つあります。こちらが後なので、先に下の記事を読んでください。 ※5日分すべての話のネタバレをします。読んでいない人は先にそちらをどうぞ。 「やっほー、ご苦労様。上手くいったみたいだね。」穣子は夜遅くに帰ってきた友人にそ…

輪廻之理 ―一番幸せなのは出会えたこと―

「穣子、ようやく新薬が出来たって言っていたな。」同じ趣味を持つ藍は、穣子の作る薬にとても興味があった。今後、何かに生かすためと考えて薬を作る藍に対し、穣子は大体思いつきで薬を作る。それでも大体は藍の薬の応用ばかりだった。今回は、完全に一か…

輪廻之理 ―一番寂しいのは会えないこと―

あれから数年が経った。もしかしたらもっと経っていたのかもしれない。けれど、私たち幽霊や騒霊にとって時間なんて、どうでもいいことだから。ただ、一つの時間だけを除いて。私はもう落ち着きを取り戻していた。衣玖さんに出会えないことは寂しい。けれど…

輪廻之理 ―一番悔しいのは伝わらないこと―

私は、寿命を迎え、消える寸前に一つの言葉が脳裏をよぎった。それは、穣子の言葉。『…黙ってルナサから居なくなること、というか天命を受け入れること。…それがどういうことかを知ってかの判断か、よぉく考えてね。せめて、一人が後悔しないように。』それ…

輪廻之理 ―一番悲しいのは別れてしまうこと―

「…衣玖さん、ちょっといいでしょうか。」衣玖が帰る前に、さとりが少し引き留める。中では言いにくいことだと言うので、暗い星空の下、二人は少し家から離れたところに並んで座った。「…具体的に、あとどのくらいか分かりますか?」「…何がですか?」「隠し…

輪廻之理 ―一番怖いのは忘れ去られること―

※予告通り、今日から一週間衣玖ルナ小話集やります。 ※話がかなり暗い上、犬の嫌いなネタなので胃もたれしそうって思ったら全力でランアウェイお願いします。 「なぁ、少し思ったんだ。」夏も終わりに近づいてきた頃、いつものメンバーはいつものメンバー同…